料理研究家
佐川進先生の料理塾【男の手料理】
“お菓子編”
「クレープシュゼット」

辻学園日本料理主任教授
佐川進先生
■材料費:600円■
※カロリー、塩分表示はナシ!
デザートの中では女王格に位置づけられている。
[材料][作り方]につきましては、お客様の好みの材料、作り方も考慮して、
目安的に記載してある部分もございますので、ご了承願います。

※上のイメージ写真をクリックで拡大できます。
■材料(4人分)
(クレープ生地8枚分)
小麦粉(薄力粉) …… 40g
砂糖 …… 大さじ2
卵 ……1コ
牛乳 …… カップ2/3
無塩バター …… 15g
塩 …… 適量

(オレンジソース)
角砂糖 …… 5コ
ブランデー …… 適量
無塩バター …… 40g
オレンジの皮(すりおろしたもの) …… 1コ分
レモンの皮(すりおろしたもの) …… 1コ分
オレンジジュース …… カップ1+1/2

グランマルニエ酒 …… 適量
バター …… 適量
作り方
1. はじめにクレープ生地をつくる。小麦粉(薄力粉)はふるっておく。無塩バターは湯せんにかけて溶かしておく。ボウルに小麦粉、砂糖、塩、卵を入れて泡立器で混ぜ合わせ、牛乳を少しずつ加えながら、ダマができないように溶き伸ばし、先の溶かした無塩バターを加えて全体を混ぜ合わせ、30分〜1時間ねかせておく。
2. 次にオレンジソースの準備をする。オレンジソースに使う無塩バターにすりおろしたオレンジの皮とレモンの皮を混ぜ合わせておく。
3. クレープを焼く。フライパンを熱してバターをなじませ、生地の1/8量を流し入れ、フライパンを手早く動かして生地を薄く平均に伸ばし、中火弱ぐらいの火加減で焼き、周囲が薄く色づいたら裏返し、乾かす程度に焼く。
4. オレンジソースを作る。鍋に角砂糖を入れて火にかけ、ブランデーを少量ふりかけてしめらせ、茶褐色のカラメル状にし、ブランデーを少量加えてアルコール分をとばし、無塩バターを加える。バターが溶けたら2/3量のオレンジジュースを加え弱火にしてとろりとするまで煮詰める。
5. クレープを仕上げる。フライパンをごく弱火にかけて、先に焼いたクレープを一枚広げ入れ、オレンジソースをスプーンで全体にかけてから、四つ折にし、器に盛る。この操作を8回して8枚のクレープに味をつける。オレンジソースが煮詰まってきたら新しいソースを足していく。
6. クレープがすべてたたみ終わったら上からブランデーをふりかけて火をつけ、アルコール分を抜き、最後にグランマルニエ酒を加えて香りをつけるとできあがり。
料理の知識「クレープシュゼット」
洋菓子にはいろいろな種類がある。この中で特に食事の最後に締めくくりとして出されるお菓子をデザートと呼んでいる。デザートは大きく分けるとアントルメ・ド・パティスリーとアントルメ・ド・キュイジィーヌに分けることができる。
前者は専門の菓子職人がつくるお菓子、後者は料理人がつくるデザートのためのお菓子(つくりおきのできない生菓子)である。
クレープやスフレーは温かいアントルメ・ド・キュイジィーヌにあたる。
この他、冷たいデザートとしてゼリーやババロア、ムースやブラマンジェ、氷菓(シャーベット、アイスクリーム)など食卓を彩るさまざまなアントルメ・ド・キュイジィーヌがある。ヨーロッパのお菓子はデザートとして食事のコースに組み込まれているのが特長で、和菓子と大いに違うところである。今回作るクレープはラテン語の縮れたという意味の言葉に由来し、ポイントは薄く絹のように焼き上げることである。
そしてクレープシュゼットはもともとブルタニュー地方で、パンの代わりに日常食べられていたクレープをホテルやレストランの高級デザートとして完成されたものである。特長はフランベすること。ブランデーやリキュールを使ってこれを燃やしてアルコール分をとばしてサービスをする。青い炎が浮かび上がって雰囲気を盛り上げるのもクレープシュゼットならではの演出の一つ。