料理研究家
佐川進先生の料理塾【男の手料理】
“お菓子編”
「桜もち」

辻学園日本料理主任教授
佐川進先生
■材料費(8コ分): 約600円
※カロリー、塩分表示はナシ!
春の香りを楽しむもち菓子が桜もちである。

※上のイメージ写真をクリックで拡大できます。
■材料(8コ分)
<桜もち>
(生地)
もち米 …… カップ1+1/3
食紅 …… 少量
砂糖 …… 40g

黒こしあん …… 160g
桜の葉の塩漬け …… 8枚
砂糖水 …… 適量

<桜の葉の塩漬け>
桜の葉(染井吉野、彼岸桜) …… 200g
あら塩 …… 40g
桜もちの作り方
1. もち米はきれいに洗って水につけ食紅を少々加えて薄いピンク色に着色し、一晩(又は6〜7時間)つけておき、全体のもち米がピンク色になったらざるに上げ、かたく絞った濡れ布巾を敷いた蒸し器の中に入れて広げ、打ち水をしながら強火で35分ぐらい蒸す。  
2. 桜の葉の塩漬けは薄い塩水につけて塩抜きをする。そして黒こしあんは8等分に丸めておく。
3. やわらかく蒸したもち米をすり鉢に入れてすりこぎ半つぶしの状態につき、さらに砂糖を加えて、つきながら混ぜ、この生地を8等分にしておく。
4. 手に薄い砂糖水をつけて生地をのせて広げ、あんをのせて親指であんを押えるようにして包み込んで丸型に整え、桜の葉でくるんでおく。
5. かたく絞ったぬれ布巾を敷いた蒸し器に入れて、強火で1〜2分蒸して桜の葉の香りが移ればできあがり。

桜の葉の塩漬けの作り方

1. 桜の葉は水できれいに洗ったあとたっぷりの熱湯の中を一枚ずつサッとくぐらせてすぐ水にとって色止めをし、すぐに水から引き上げて、水けをしっかりとふき取り、10枚1組になるように重ね合わせる。  
2. (漬け方)
重ねた桜の葉を縦半分に折って容器に塩をふりながら漬け込み、落し蓋をして、重石400g(桜の葉の2倍)をし、水が上がってきたら重石を200gに減らし(水上がりが悪い場合は差し水をする)ラップをして冷暗所または冷蔵庫で保存しておく。
料理の知識「桜もち」
季節感あふれるゆかしい和菓子、桜もちは関西風(もち米で作る)が蒸し菓子として伝わり、関東風(白玉粉と小麦粉でつくる)が焼き菓子として伝えられている。
薄紅色のかわいらしい春ならではのお菓子で手作りの桜の葉の塩漬けを使って春の香りを楽しむもち菓子が桜もちである。

■和菓子によく使う粉のこと
白玉粉=もち米を粉にして水にさらし、乾燥させたもの。寒ざらし粉と呼ぶ白玉粉は寒中に10〜30日水にさらしたもので上等。

上新粉=うるち米を粉末にしたものを新粉という。新粉よりさらに細かく挽いた上質のものを上新粉という。こねる時は必ずぬるま湯を使って耳たぶくらいの硬さにする。

道明寺粉=水につけたもち米を蒸し、乾燥させて荒く挽いたもの。大阪の河内にある道明寺で作ったのでこの名がある。

みじん粉=もち米を蒸して乾燥させ、さらに炒って細かく砕いて粉にしたもの。

くず粉=野生に自生するくずの根からとったでんぷん。でんぷんの中では最良で、吉野くず、若狭くずが有名。